がん特集ページ
甲状腺がんの中にはたちの悪いがんもあります
甲状腺癌の約90%は乳頭がんという組織型で、手術すれば再発することも少なく、たちの良いものがほとんどです。一方、未分化がんは甲状腺がんの2%程度で、めずらしい種類のがんですが、進行が早く手術してもすぐ再発し、抗がん剤もあまり効かずに数か月で命にかかわるという、大変たちの悪いがんです。乳頭がんの一部で未分化がんに変化するものもあります。 甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある組織で、気管にへばりつくように存在しますが、しこりができても自分ではなかなか気づかないのが特徴です。かぜなどで近くのお医者さんにかかり、のどの触診で偶然見つけられたりします。
甲状腺のしこりは超音波検査が必要です
首にしこりを指摘された場合は当院の外科にお越しください。超音波検査をすればおよその病気の診断ができます。首のしこりには、リンパ節が腫れていたり、耳下腺や顎下腺が腫れていたり、甲状腺が腫れていたりと、その本体はいろいろです。甲状腺が腫れている場合でも、甲状腺がんなどのできものによるものもあれば、甲状腺炎によるものもあります。当院は日本超音波医学会超音波指導医が常勤で在籍する研修施設に指定されており、同学会が認定する超音波検査士により検査を行っております。
甲状腺がんは専門医による手術が必要です
甲状腺のできものには甲状腺がん、甲状腺腺腫、腺腫様甲状腺腫などがあり、超音波でみながら針でできものを刺して細胞をとって調べることもあります。病理医が細胞を顕微鏡でみても甲状腺がんと甲状腺腺腫との鑑別が難しいことが時々あり、このような場合は手術をお勧めします。 甲状腺がんに対する手術方法はがんの大きさと甲状腺に占める部位によりますが、甲状腺の全部かほとんど全部を切除し、甲状腺周囲のリンパ節も切除します。切除の時は反回神経という声帯を動かす神経が甲状腺の裏側にへばりついているのでこれを慎重にはがします。もし反回神経を誤って切ってしまうと、術後に声がかすれたり、誤嚥(食べものが食道でなく、気管に入ってむせる)したりすることもあるので甲状腺の手術で最も慎重を要するところです。当院では日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会により認定された内分泌・甲状腺外科専門医のもとで安全な手術を行っております。