「心あるより良い医療の提供」という理念のもと、各診療科を拡充するとともに、急性期医療、特に救急、がん、および小児・周産期医療の強化を行ってまいりました。
がん医療につきましては、大阪府がん診療拠点病院の指定を受け、平成29年に緩和ケア病棟を開設したことにより、がんのトータルケアが可能となっております。
また平成30年6月には大阪市立大学医学部附属病院との医療機能連携協定の締結により、より先進的な高度医療を提供できる体制が整いました。
病院事業を取り巻く経営環境は今なお厳しい状況が続き、当院におきましても安定した経営基盤の確立が急務となっております。今後も診療体制ならびに地域との連携をさらに強化するとともに、市立柏原病院新改革プランに準拠した経営改革を進め、経営の健全化、安定化に向け邁進してまいります。
市立柏原病院が地域の基幹病院として、市民の皆様に信頼され安全で安心な医療を安定的かつ継続的に提供できるように、医療の質と患者サービスの向上に努めてまいりますので、引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
柏原市病院事業管理者 石川哲郎
この度平成30年4月1日に市立柏原病院総長に就任いたしました。市立病院はこれまでに関係各位就中市民の皆様のご支援により、病院や各診療科が充実して参りました。
それに伴い地域の中核病院としてその役割を担ってきました。地域に必須な産科小児科、救急医療や急性期医療を推進し、また府指定の癌拠点病院として、さらに昨秋から緩和病棟を開設し継続性のある癌診療を行っております。
医療連携が進むなか、市立病院はこれまで医師会などとの病診連携を中心に、また近隣病院や大学病院との連携を通じて地域医療の充実に貢献して参りました。
少子高齢化社会が進む中で、医療の在り方や方向性が変わりつつありますが、地域の現状や特性を念頭に置いて対応していくことが求められます。今後市立柏原病院の役割はどうあるべきか改めて考える必要があります。病院は1956年に開院し、60年以上の長きにわたり地域医療に貢献して参りましたが、これも医師会や市民の皆様のご理解の賜物であります。若い医師は患者さんに育てられるように、病院は市民の皆様によって支えられています。
このことを忘れることなく、病院の理念を基本に最新の医療を提供し、市民の皆様に親しまれ信頼される病院になるよう職員の皆様とともに努力して参ります。
市立柏原病院 総長 平川 弘聖
市立柏原病院は昭和31年に開院し、今年で創立62年、ちょうど私と同い年になります。
当院は、平成16年に新病院に建て替えた直後の平成18年、多数の医師の退職に伴う医療機能の縮小を余儀なくされましたが、その後、大阪市立大学、近畿大学の支援を得て徐々に医師数が回復し、それとともに医療機能が向上してきました。平成24年には検診部門の強化を図るため、人間ドックセンターを開設し、平成27年1月には内科の24時間365日の救急対応が可能となりました。
また、平成28年4月には大阪府のがん診療拠点病院の指定を受け、平成29年10月から17床の緩和ケア病棟を開設しました。緩和ケア病棟はがんによる痛みなどの肉体的苦痛や精神的苦痛などを緩和するための病棟で、中河内や南河内には、他に、1病院しかありません。そのため、柏原市以外からもたくさんの方にご利用いただいています。これからも医療機能を高め、さらに多くの方のお役に立ちたいと思っています。
現在、自治体の財政も厳しく、公立病院の経営も改善が求められています。公立病院には採算性のよくない部門においても診療を継続する責務があり、これらを含めて、地域で必要とされる医療を安定して提供できるように、経営基盤をしっかりとしたものにするため、今後も病院職員が一丸となって取り組んでまいる所存です。
市立柏原病院 病院長 佐藤 博之